休職時に旅行に行ったり気分転換でテーマパークなどに行ったりすることは、体調が改善してきているということですし、気分的な体調改善の一因にもなりますのでそれ自体が悪いことではありません。
しかし、復職して上司や同僚と良い関係を築いて仕事をしたいのであれば、SNS投稿はやめておいた方がよいでしょう。
休みの時のSNS投稿は気をつけて!
周りの目にどう映るかを配慮する
SNSに投稿する内容は、旅行や趣味などが多いと思います。
あなたは、職場の上司や同僚がこれを見た時にどう感じると思いますか。
あなた自身は、旅行や競馬、テーマパーク、ゲーム等を行うことは気分転換であり療養の一部であると考えているかもしれませんが、これを見た同僚は忙しく働いている自分と比較して「あいつは何をしているんだ!」と休職中のあなたに不満を募らせるかもしれません。
たとえ、療養に関する内容であったとしても「SNSに投稿できるくらい回復しているなら早く復帰して仕事ができるのではないか」と思われるケースがほとんどではないでしょうか。
こうなってしまうと、たとえ体調を回復して職場に戻ったとしても、上司や同僚と良い関係性を築くことは難しく、その結果仕事で成果を上げにくくなってしまいます。
休職は単なる「休日」ではなく、療養に専念する期間
私傷病休職は一般的に、病気が原因で一時的に就労不能となってしまった社員に対して病気回復に専念させるために一定期間にわたり労働を免除し、労働者の解雇を猶予する制度です。
したがって従業員は、私傷病休職期間中は療養に専念する義務があり、周りの目にどのように映るかということに気を配って過ごす必要があります。
休職は単なる「休日」ではないことに注意しましょう。
SNSは体調にも影響する?
SNSによる悪影響
休職中は人との接点が少なくなるので、他の人のことが気になり、SNSに熱中しやすくなります。
SNSに挙げられている華々しい写真、ストーリーを見ることで、自分を卑下するのはありがちです。
休職中でかつ罪悪感や抑うつ気分のある人は、ことさら卑下しやすいので気をつける必要があります。
SNSはコミュニケーションを活性化して元気を与えてくれるかもしれませんが、状態がよくないときは悪影響の方が強くなる可能性があります。
さらに、これはSNSに限ったことではありませんが、SNSやオンライン上のコンテンツ、ゲームなどスマートフォンを触りすぎて、昼夜逆転、生活リズムが崩れることもあります。
SNSに触れる機会を減らす
意識的にSNSに触れる機会を減らすようにするとよいでしょう。
特に夜寝る前にSNSを見てしまうと脳が興奮して、眠れないといったことになりかねません。
SNSに触れる機会を減らすには自分の意志だけではなかなかできません。
色々な工夫が必要です。
例えば、スマホのアプリ、アラームなど活用して使用時間を制限します。
ほかには、家族がいたら声をかけてもらうなり、スマホを預かってもらうなどするとよいでしょう。
崩れてしまった生活リズムは日中活動をして取り戻す
生活リズムが崩れてしまうと立て直すのには努力を要します。
日中活動を取り入れて生活リズムを戻しましょう。
日中は外出する
家から外に出てしまうとスマホを触る機会も減るでしょう。
図書館に行ったり、公園で読書したり、散歩にでかけたり、1日の中で外出する習慣を取り入れます。
リワークを利用する
休職中の方がリハビリのために通えるリワークという施設もあります。
リワークは、医療機関や就労移行支援事業所が運営しています。
リワークでは定期的な通所を通じて、生活リズムを整える、同じように休職している人たちとの交流などでき、SNSの利用も自ずとなくなるうえ、復職に向けた準備も進められるでしょう。
1人で問題を解決するのは困難です。
SNSに執着してしまう背景には、人との接触の乏しさが少なからず影響しているでしょう。
似たような境遇の人と関われるリワークは、健全な対人関係を取り戻していく良い機会にもなると思います。
執筆者 佐藤 恵一
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種、衛生管理者、心理相談員、(株)ベスリ 産業保健ディレクター
大手IT企業にて産業保健に従事、メンタルヘルスからの職場復帰支援や健康経営に取り組んできた。現在は(株)ベスリにて新しい産業保健の普及支援に取り組んでいる。