
病院に就職し、看護師としてキャリアをスタートしたYさんでしたが、職場での人間関係や働き方に悩み、休職を経験しました。
リワークで自身の状態や対人関係を振り返った後、別の職場で訪問看護師として再スタートを切ったYさん。
休職に至るまでの背景や、リワークでの学び、復職後の変化について話を伺いました。
※リワークでは、元の職場に戻るだけでなく、振り返りの中で転職を選択する方もいます。
同僚との比較、先輩とのコミュニケーションの「壁」を感じて、メンタル不調に
Yさんは、看護師として経験を積みたいという思いから、急性期病院に就職しました。
その病院はターミナル(終末期)ケアにも力を入れており、将来的には寄り添う看護ができたらと考えていたそうです。
入職後1か月は先輩の後ろで学び、2か月目から業務を任されるようになると、同期との差を意識する場面が増えていきました。
作業が思うように進まず、帰宅が遅くなる日が続く中で、周囲からの声かけで「Yさんもう終わっているの?」という言葉が次第に負担になっていきました。
また、人間関係にも働きにくさを感じるようになり、先輩との距離を感じて自分から関係を避けるようになっていきました。
負けたくないという思いから自主勉強を重ねましたが、できない自分を認められず、自分を責め続けてしまいました。
職場では会話を控え、気持ちを隠し、家族にも相談できない状態が続いていたといいます。
ある朝、涙が止まらなくなり、「このまま働き続けられるのだろうか」と感じたことをきっかけに、家族に相談し、休職を決意したとのことです。
今のまま復職しても体調を崩すと思い、リワークへ通所
休職後、復職を考える中で、「今のまま戻っても、また体調を崩してしまうのではないか」という不安が強くなっていたといいます。
ただ休むだけでなく、働き方や人との関わり方そのものを見直す必要があると感じるようになったとのことです。
そこでYさんは、復職専門のリワークを探すようになりました。
ベスリを選んだ理由は、自身の不調が心理学的な要素と深く関係していると感じていたこと、スタッフや利用者との距離感が程よく、安心して過ごせそうだと感じたことを挙げています。
心理師と安心して落ち着いて話せる環境があり、「ここなら無理なく通い続けられる」と感じられたことが、通所を決める後押しになったそうです。
リワークの仲間との意見交換が学びと気づきを大きくした
リワークに通う中で、Yさんが特に印象に残っていると話していたのが、仲間との意見交換の時間でした。
さまざまな背景や価値観を持つ人と関わる中で、「自分とは違う考え方がある」ことを実感する機会が多かったといいます。
ディスカッションでは、自分の考えをそのまま伝えるだけでなく、相手の意見を聞いたうえで考え直すことが求められました。
その過程を通して、Yさんは自分の考えを整理し、言葉にして伝える力が少しずつ身についていったと感じていました。
また、意見や指摘を受けたときも、「否定された」と受け取るのではなく、「自分では気づかなかった視点を教えてもらっている」と捉えられるようになったそうです。
そうした受け止め方の変化が、自分自身の成長につながっていると振り返っています。
職場では、時間に追われる中で指摘を受けることが多く、戸惑いを感じていた一方で、リワークでは「分からなければ言っていい」「考える時間を取っていい」という雰囲気がありました。
その安心感の中で学べたことが、Yさんにとって大きな支えになっていました。
苦労してまとめた再発防止策はYさんの宝物
リワーク中でも特に大変だったとYさんが振り返るのが、休職に至った原因を整理し、再発防止策としてまとめる作業でした。
自分の行動や考え方をひとつ振り返る中で気になる点が多く、すべてを丁寧に検討していったそうです。発表を通して、大阪や東京のスタッフ、仲間から意見をもらい、自分では気づかなかった視点を触れることができたそうです。
特に、苦手な人との関わり方の分析では、自分と相手の間にある「期待のズレ」を図に示してもらい、それが関係性を悪循環にしているとしてきされたことは、大きな気づきだったと話していました。
そうして出来上がった再発防止策は、「私の一生の宝物です」と笑顔で語られておりました。
新しい職場で苦手な人への対策に挑戦!
新しい職場で働き始めてからも、Yさんは「自分は無意識のうちに苦手な人を作ってしまいやすい」と感じる場面があったと話していました。
リワークでの振り返りを通して、その傾向に気づいていたからこそ、同じことを繰り返さないよう意識して関わり方を工夫するようになりました。
まずYさんが取り組んだのは、相手を「合う・合わない」で判断するのではなく、「仕事を一緒にする仲間」と捉え直すことでした。
実際にはほとんど接点がないだけで、「接しにくい人」と決めつけてしまっている場合が多いことにも気づいたといいます。
避けずに自分から話しかけてみることで、相手の反応を必要以上に気にすることが減り、関係性への構え方が変わっていきました。
また、苦手意識のあった報告・相談にも意識的に取り組むようになりました。
Yさんは、不安なことも含めてまずはすべて伝え、「その情報はいらない」と言われたら次から調整すればよいと考えるようになりました。
このように考え方を切り替えたことで、報告・相談への心理的なハードルが下がり、職場でのやり取りが以前よりも楽になったと振り返っています。
これからリワークを検討している方へ
復職後、体調が優れない日もありましたが、フォローアップ面談で振り返りや対応策を考えられる場が支えになりました。
つらさを吐き出すだけで終わらず、「どう対応するか」を一緒に考えられることの大切さをここでたくさん学びました。
もし悩んでいるなら、悩みを打ち明けられる場所を作ってください。
自分の話を聞いてくれる人や助言をくれる人と出会うことで、考え方や行動は少しずつ変わっていきます。
自分の考えも今後の動きも変わってきます。まずは一歩、踏み出してみてください。
