休職を3回経験、1回目、2回目は休職中に職を変えて復職したが、 3回目はベスリのリワークを利用してそれまでの仕事に復職をされたSさんの体験記です。
再発をしないために
2回目の休職の後、転職をして半年ほど頑張っていましたが、周りの環境に思うようには馴染めず、困りごとがあっても相談をできませんでした。そうやって過ごす中で自分で自分を追い込んでしまい、体調を崩して3回目の休職となりました。
これまでの経験から、休んでいる間にリズムを整えるのが難しいことや、いきなり職場に戻ること、環境に慣れるまでに時間がかかることへの不安がありました。また、今回が3回目の休職だったので、ただ休んだだけで戻ると同じような状況になったときにまた体調を崩して休職してしまうのではないかという不安もありました。
そんな時に主治医の先生から「リズムを整えながらいろんな人と関わったりして、再発防止を考えられるリワークがあるので行ってみたらどうか」と勧められてリワークへの参加を決めました。
最初はリワークに来るだけで大変だった
最初は毎日リワークに通うというリズムに慣れるまで時間がかかりました。
また周りの人たちもいい人たちなのに、自分がすごく緊張してしまって、なかなかとけこめずリワーク自体に慣れることも大変でした。
私は元々人見知りだし一人でいる方が好きだったので、はじめはグループワークなんてやりたくないと思っていたんですけど、やっているうちにリワークの仲間たちと雑談ができるようになりました。
今の職場にはいろんな世代の人がいるのですが、その人たちといろいろなことについて話したり仕事の愚痴もため込まずに言えるようになり、リワークでの体験が今に生きています。
講座での学びが今につながっている
リワークでは色んな講座がありましたが、特に自分に影響が大きかったのはコミュニケーションと人間関係についての講座です。
共通イメージと個別のイメージは違うって教えてもらったことが私の中では大きなことでした。それまでは「他人も自分と同じ考えをもって当然だ」と思っている部分があったのですが、自分が思っていることと他の人が思っていることが全然違うのでちゃんと言葉にしなきゃいけない、ということに気が付かされました。
今はなるべく言葉を細かくして、お客様や周りの職場の人とも話すことができるようになりました。
あとは「認知行動療法」ですね。
私は「~すべき」という意識が強くて、これはダメだとかこうだから自分はダメだってネガティブにとらえていたのですが、周りの人の意見を聞くうちに、「まあこういうこともあるよな」って前向きにとらえられるようになりました。
アンガーマネジメントの講座では具体的な方法も学びました。
イライラしたら紙に書いて、そのイライラ度がどれくらいだったかを客観的に振り返る方法です。最近は毎日はできてはいないのですが、すごくしんどかったことや悔しかったことを日記に書いて、それをこれまでの人生の中で比べたらどうだろうと客観的に振り返ることができています。
また、良かったことも一緒に書いていて、あとから振り返ることで自分ができていることが増えていることにも気が付けるようになりました。 過去2回休職したときは、ただ体調がよくなればOKという頭でいましたが、リワークで具体的に自分の思考や周りの人とのかかわり方などを学んだことで、復職してからの心の持ちようが変わったな、と感じています。
やらなきゃいけないからその先へ
リワークで作った再発防止の対策について、最初は絶対にやらないといけないと思いこんでいた部分があったのですが、実際に働いていく中で、できないことや、やりやすいことがわかるようになりました。
再発防止策は小さく印刷して持っていて、はじめはそれを見て気持ちを高めていましたが、今は再発防止策を見なくても、その都度対策が取れるようになってきました。
対策の内容はリワークで立てたものとは違うこともありますが、リワークで立てた対策と自分が働く中でブラッシュアップした対策を状況に応じて実践できています。
再発防止策を作る中で、ストレス負荷がかかるとどんな症状があらわれるかといった自分のストレスサインにも気づけるようになりました。
前は症状が出ても休むべきじゃないと思って無理をしていたけれど、今は軽い症状が出てきたときに「無理をしすぎてるから休んだ方がいい」と言い聞かせて、適度に休息をとることができています。
再発防止策をたてたことで頭の中が整理されて、職場とか仕事の中だけじゃなくてプライベートの中や今後の人生に生かせると思える気づきがありました。
考えるだけではなく、形にすることで気が付くことができました。
これからリワークを検討している方へ
休職中、自宅療養する中で自分一人でリズムを整えるのは難しいです。
また、いきなり復職して出勤するのは緊張するし、相談するのもなかなか難しいかなと思います。
私はリワークの仲間ができたので、他の仲間も頑張っているなーって思うことで自分自身も頑張ることができました。
休職している中で、ただ休むのではなくリワークで今まで自分が出会ったことのない職種や年代のいろんな人に出会うことができたと思います。振り返ってみると私にとってリワークは大切な時間でした。
もし検討している人がいたら一人で頑張ろうとせずに、リワークのスタッフや通っている人と協力しながら復職に向けて頑張ってほしいなと思います。