コラム

プレーヤーとして優秀な人が管理職になり戸惑っているときの考え方

スポーツで、プレーヤーと監督が見ている景色が違うことは理解しやすいですね。
プレーヤーと管理職では、会社から期待される仕事の質が異なります。
管理職になっても今までどおりプレーヤーの仕事をしていたのでは、会社の期待にそうことはできません。

プレーヤーとして優秀な人が管理職になり戸惑っているときの考え方

管理職としての立場と、陥りやすい状況

プレーヤーは、チームの成績よりも自分の売上げが上がれば評価されます。
しかし、プレイイングマネージャーは、自分の成績をあげつつ、チーム全体を運営し成績を上げる立場です。

自分:全体=2:8」で負荷をかけるべきだと言われていますが、今までのプレーヤーとしての成績を出すことに加え、チーム運営やチーム成績を上げること、更には組織の活性化やチームメンバーの育成も求められていると思い込みがちです。

メンバーを育成しチーム全体の底上げをするには、メンバーに仕事を任せなければならないが、目先の目標は納期も近く任せていては間に合わない。
自分でやった方が早い・・・。

難しい舵取りをせざるを得ないなか、チームメンバーが育たなかったり、会社からの重圧があったり、数値管理による弊害が出たりとマイナス思考のスパイラルに入ってしまうことが多く見受けられます。
頭ではわかっていても、長年の仕事の仕方を変えることは、たやすいことではありません

管理職になっても早めに相談することが大切

戸惑っているときには、上司や先輩に相談しましょう
管理職になったからといっても、上司に相談することが禁止されたわけではありません。

相談により出すべき結果が明らかになれば、個々の部下の適性を判断して仕事をアサインすることができます。部下の活動を支援し、結果を出させることができます。
それがあなたの仕事です。

部下に機会を与えることは、育成のみならず組織強化につながり、チームの成績向上につながります

また、見落とされがちですが、自分の弱みをチームメンバーに見せることも重要です。
上司が率先して困っている状況、悩んでいる状況を見せることで、部下も「自分が困っているところを表に出してもよいのだな」という安心感が生まれます。
この安心感が事前の相談や報告につながり、仕事を進めるための大きな助けとなります。

ストレスレベルを上げるタイミング

新たに管理職になったときが、メンタルヘルス的には要注意です。
管理職になって責任の範囲と仕事の範囲が変わり「今までと違う新しい環境」になります。
これがストレスレベルを上げます。
昇進したのだから失敗するわけにはいかない・・・という気持ちの上での「気負い」もそれに拍車をかけます。

気が張っているときは気づきませんが、一段落したり、数ヶ月経過したりした時、突然それはやってきます
そうならないために、そして活き活きと活躍し続けるためには、自分も周りも活かす環境作りが重要です。

執筆者 佐藤 恵一

メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種、衛生管理者、心理相談員、(株)ベスリ 産業保健ディレクター
大手IT企業にて産業保健に従事、メンタルヘルスからの職場復帰支援や健康経営に取り組んできた。現在は(株)ベスリにて新しい産業保健の普及支援に取り組んでいる。