うつ病や適応障害などの精神疾患で休職している方たちが、安心して復職できるために「リワーク」があります。
リワークには約2か月~6か月、休職期間中に通所します。
メンタルヘルス、ビジネススキルについて学び、再発予防に取り組みます。
大阪にもリワークプログラムを提供している施設がたくさんありますが、選ぶのがたいへんだと思います。
いざウェブで検索してみても、「どこがいいか比較が難しい!」「よくわからん!」となるのではないでしょうか。
あなたに合うリワーク選びの助けとなるように、この記事ではリワークの選び方と大阪のおすすめリワークを6つに限定して紹介します!
リワークの選び方
どうしてリワークを選ぶのに困るのか?
まずは、同じく通いたいリワークを探して悩んでいる「リワ子」、リワークの取り巻く環境と情報にくわしい「リワ男」の会話をのぞいてみましょう👀
そろそろ体調も戻ってきたし、「復職したい」って主治医と会社に言ったら、リワークをすすめられたわ。私もすぐ復職するには不安があったから通ってみたいと思ったけど。
いざリワークを検索してみたら、大阪にはたくさんあって、違いがよくわからないの。
リワーク施設は近年、増えてきているんだよ。利用者にとって選択肢が増えた分、施設側も選んでもらえるよう色々と差別化をアピールしているんだ。
たしかに、いくつか施設のホームページを見てみたけど、特徴がわかれているわね。全部、同じようなことしているのかなと調べる前までは思っていたけど・・・
特徴あるからこそ、自分に合っているリワークを選ぶことがとても重要なんだ。
でも、どうやって自分に合っているリワークを選んでいいかよくわからないわ。どれも良いように見えちゃうもの。
そうだよね。リワークを選ぶとき、比較する基準を持って、みてみるといいと思うよ。
比較する基準?
そう!リワークの違いがあらわれやすい部分、差別化しやすい部分がある。その3つが「プログラム」「通いやすさ」「スタッフ」なんだ!言い換えると、自分がどんなプログラムを受けたいのか、毎日通えそうか、安心して相談しやすいスタッフ体制か、自分がその施設に通所しているイメージをしながら考えてみよう!
なるほど!その3つぐらいだったら、わたしに合っているか整理できそうだわ!
・
・
・
ということで、みなさんもリワークを選ぶときの基準として、「プログラム」「通いやすさ」「スタッフ」でご自身に合っているかを検討してみるとよいのではないでしょうか?
なぜこの3つか下の内容で説明しています。
プログラムは、その施設の特色が色濃くあらわれる部分です。
その施設の力の入れどころをプログラムから読み取れます。
プログラムとあなたがうけたい支援を照らし合わせてみるとよいでしょう。
通いやすさも重要です。
リワークに通所するとなると、はじめは週2、3日からスタートしたとしても、週5日通うことが前提となります。
交通費が気になる方は自宅から近いところのほうが安心するかもしれませんし、職場の人と顔を合わせたくないという方は職場からはなれた場所にある施設のほうが通いやすいかもしれません。
通いやすさの条件を自分の中で整理しておくと、どこの施設がよいかしぼりやすいと思います。
最後にどんなスタッフが所属しているかチェックするのもオススメです!
施設によって勤務している専門職が異なります。
例えば、臨床心理士、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、ビジネス関係の特別講師などさまざまです。
それぞれの専門職の解説は省きますが、スタッフの専門性からその施設でどのような支援が受けられるかイメージしやすいはずです。
「プログラム」「通いやすさ」「スタッフ」の情報は、ほとんどの施設のホームページでのっているので、気になった施設が見つかったら、あなたに合っているか詳しく検証してみてはいかがでしょうか。
大阪のおすすめリワーク6選
ここからは特色がそれぞれわかれるオススメしたいリワーク施設を紹介していきます!!
リワーク施設によって、就労移行支援事業所、病院・クリニック、行政法人といった法人形態が異なります。法人形態によって、費用や利用申請などの違いがありますが、今回はそういった側面から比較していません。
本記事では、「プログラム」「通いやすさ」「スタッフ」という3つの中身を比較の基準として、それぞれの特徴をわかりやすくまとめました。
形態の違いについて気になった方はこちらのページをチェックしてください。
1.阪南病院
阪南病院は堺市にある精神科病院です。
精神科デイケアという保険診療科目の枠組みで、リワークプログラムを提供しています。
住所:大阪府堺市中区八田南之町277
阪南病院では週2~3日の通所から始められ、スモールステップで復職の準備をすすめることができます。
プログラムもはじめはデスクワークなどの個別作業からスタートし、慣れてきたら集団プログラムにも参加します。
阪南病院は日本リワーク協会の認定施設として登録されています。
これは日本リワーク協会の審査を経ないと認定されません。
サービスの質が保証されているので、安心して通えるのではないでしょうか。
体調が不安な方にとって、医師がいるのは当然心強いでしょう。
看護師、公認心理師、精神保健福祉士が定期的に面談を担当しています。
JR津久野駅、泉北高速鉄道深井駅から送迎バスがでており、とくに南大阪にお住まいの方にとってアクセスしやすい配慮がされています。
2.こころのクリニック和(なごみ)
こころのクリニック和は堺筋本町駅すぐにある精神科クリニックです。
阪南病院と同様に、精神科デイケアという保険診療科目の仕組みで、リワークプログラムCRESSを提供しています。
CRESSは植物のクレソンから取ったそうです。
住所:大阪府大阪市中央区南本町2-2-9 辰野南本町ビル1階
こころのクリニック和では、リワークの導入から卒業後まで切れ目のないプログラムが用意されています。
本格的なリワークの前に、プレリワークがあります。
プレリワークでは、スタッフとの面接、心理検査をつうじて、リワークをはじめるうえでの不安を解消したり、自己理解を深めながらリワークの準備を丁寧にします。
約3週間のプレリワークが終わったら、段階的に午前中のみから全日まで時間をのばしていき、心理プログラムやグループワークを受講します。
アフターリワークといって、復職後も月1回、卒業者が集まり悩みを共有したり、プログラムに参加して再発予防に取り組めます。
公認心理師、看護師が面談を担当しています。
各メンバーには必ず1名の担当スタッフがつき、さまざまな悩みの相談にのります。
看護面談では生活習慣の振り返りもしています。
3.ベスリ・リワーク大阪
ベスリ・リワーク大阪は心斎橋筋商店街にある就労移行支援事業所です。
最寄り駅は御堂筋線の心斎橋、本町のどちらからでも通えます。
ビジネスリワークを標榜し、対象をビジネスパーソンに特化してプログラム運営されています。
住所:大阪府大阪市中央区博労町3-4-15 ACN心斎橋博労町ビル5階 500
特に再発予防に力を入れており、再発防止策の発表をかさねて防止策のブラッシュアップをしていきます。
休職前より成長して職場復帰するという目標をかかげています。
メンタルヘルスに関係するプログラムのほか、ビジネストレーニングやマナーの特別講師による講義も受けられ、ビジネススキルの向上も目指しています。
キャリアコンサルタント、公認心理師といった国家資格者が在籍しています。
担当の公認心理師と定期的な面談のほか、再発防止策についても相談でき1人で悩まずに再発予防に取り組むことができます。
4.Rodina
Rodinaは関西、関東圏内に多くのリワークセンターを展開している就労移行支援事業所です。
大阪市内を中心に通いやすい距離にある事業所が見つかりやすいと思います。
大阪には、リワークサービスを受けられる6事業所(新大阪、新大阪西口、本町、天王寺、阿倍野、堺)があります。
プログラムの種類が豊富で、あなたに合うプログラム構成をオーダーメイドで考案してくれます。
復職には体力づくりも生活習慣の改善も重要!
RIZAPとコラボした健康促進プログラムをオンラインで受けられます。
また、職種や階層(新人・若手・管理職・幹部)ごとに学習できるeラーニングコンテンツが約1000コース、3000レッスンもあります!
そのほかストレスマネジメントなどの集団プログラムも実施していて、すばらしいプログラムの充実度をほこっています。
精神保健福祉士、社会福祉士、公認心理師といった国家資格者が多く在籍しているのも強みです!
休職、離職中の方向けの無料相談を実施しており、社会保障から暮らしの悩みまで相談できます。
5.WithYou
WithYouは精神疾患などで入退院を繰り返していた状態から支援を受けて、社会復帰したメンバーと当時の支援者が共同で発足した就労移行支援事業所です。
大阪には本町周辺に2校、梅田周辺に2校、開設しています。
WithYouのプログラムはリハビリプログラムと専門職作業プログラムの2つの柱で運営されています。
専門職作業プログラムはとりわけ特徴的で、専門的スキルを持つ特別講師からWeb製作、プログラミング、英会話、会計について学べます。
リワーク中に専門資格の取得を目指せます。
独自のサポート体制による通いやすさも魅力です!
休職中は収入が少なくなる方も多く、経済的なサポートはとてもありがたいはずです。
With Youによる補助制度 |
---|
・交通費の全額支給 |
・昼食の提供 |
・資格受験費用の免除 |
・学習用テキストやPCの無料提供 |
公認心理師、理学療法士、精神保健福祉士、キャリアカウンセラー、相談支援専門員が面談などで関わるほか、税理士、行政書士、プログラマー、英会話講師などの特別講師陣も豊富で、手厚いサポートが受けられます。
6.大阪障害者職業センター
大阪障害者職業センターは堺筋本町ちかくにある公共性の高い独立行政法人施設です。
障害者職業センターは全国47都道府県に設置されており、ほかの公共機関や民間施設と連携しながら、就職や職場復帰を目指す障害のある方の支援をしています。
雇用保険受給者が対象のため、公務員の方は利用できません。
住所:大阪府大阪市中央区久太郎町2-4-11 クラボウアネックスビル4F
リワークプログラムは、研究や調査にもとづいて開発されていますので、信頼がおけます。
ストレスマネジメントのほかジョブリハーサルプログラムがあり、実際の仕事を想定したトレーニングを受けられます。
導入前にご本人、主治医、事業所の同意が必要です。
主治医面談、事業所面談にスタッフが同席します。
このような連携のもと、サポートを受けられるのも大阪障害者職業センターの強みの1つです。
大阪のおすすめリワーク6選まとめ
今回は6つにしぼって大阪のおすすめリワーク施設を紹介しました。
大阪にはほかにも魅力的なサービスを提供している施設があります。
これからもっと探してみるという方は迷路に入らないように「プログラム」「通いやすさ」「スタッフ」を基準にして比較を続けてみてください。
インターネットから得られる情報だけでは限界があります。
気になった施設が見つかったときは、見学、説明会に行ってみてください。
ホームページには、電話番号かお問い合わせフォームがのっていますので手短に問い合わせが可能です。
自分の目と耳で納得してから通所するか決めることをオススメします。
執筆者 星野 文弥
臨床心理士、公認心理師、EMDR Weekend2修了
EAP、ひきこもり支援センター、精神科病院などで臨床経験を積んだのち、ベスリ・リワーク大阪に勤務。臨床経験や心理学の専門知識を最大限にどう還元するかをモットーに、休職者のメンタルヘルス向上に努めている。