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コラム

休む前にする仕事の引き継ぎの考え方

主治医から「自宅療養が必要」という診断書が出されたら、業務の引継ぎは最小限にして速やかに休めるようにすることが大切です。
仕事から離れて療養に専念することが、今のあなたの仕事であると考えましょう。

来週の会議までは頑張ろうという気持ちは分かりますが、無理をして仕事を続けることで病状が悪化したり、回復に要する時間が長くなってしまったりすることもあります。

仕事の引き継ぎの考え方

引継ぎよりも大切なもの

あなたにしかわからない仕事が沢山あると思いがちですが、引継ぎをしないと会社が立ち行かなくなるようなことはそれほど多くはありません。
職場には、上司や同僚がいることを忘れてはいけません。

体調が悪くて引継ぎをする気持ちの余裕が無くなってしまっているならば、引継ぎはしなくても良いと割り切ることも大切です。
あなたにとってもご家族にとっても、そして会社にとっても、最も大切なのはあなた自身です。

引継ぎが必要なものとは

それでも、引継ぎをしないと休むに休めないと感じておられるなら、緊急で重要なものだけを引き継ぐようにしましょう。
ほとんどのケースでは、「締め切りのある仕事」、「クレーム処理」、「切羽詰まった問題」、「危機や災害」に限定して大丈夫です。

「緊急度が高くても重要度が低い仕事」や「重要度が高くても緊急度が低い仕事」は、体調不良の今のあなたは引き継がなくても良いでしょう。

引継ぎをする場所と期間

また、引継ぎをする場所については、会社である必要はありません。
多くの場合、会社には行きたくないという気持ちが強いものです。

そういった場合には、会社ではない静かな場所で引継ぎを行うこともお勧めします。
また、どれほど必要不可欠な業務だとしても、引継ぎにかける期間は最大でも1週間程度です。
一般的には、1,2日と考えてください。

とつぜん仕事に穴を開けるのは簡単に許されることではありませんが、仕方なく休むこともあります。
お休みするあなたと、残された組織と仲間、お互いのために気持ち良く有意義な引継ぎをしてください。

執筆者 佐藤 恵一

メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種、衛生管理者、心理相談員、(株)ベスリ 産業保健ディレクター
大手IT企業にて産業保健に従事、メンタルヘルスからの職場復帰支援や健康経営に取り組んできた。現在は(株)ベスリにて新しい産業保健の普及支援に取り組んでいる。