休職はこれまでの働き方を見つめなおし、将来を考えるよい機会でもあります。
ベスリのリワークでは、キャリアについて考えるプログラムも実施しています。
この記事では、講義「キャリア概論」について紹介いたします。
なぜリワークでキャリアについて学ぶのか?
働いていると、自分の歩みたいキャリアと会社から求められる役割とのギャップに苦しむことがあります。
理想としている収入、役職、仕事内容、働き方、これらがすべて理想通りに進むわけではありません。
休職前にこのような壁にぶつかり強いストレスを感じていた利用者の方もおられます。
休職中にリワークで自らのキャリアを振り返り、考え直すことは、復職後に再び目標へ向かって働く活力を取り戻すことにつながります!
講義「キャリア概論」の概要
キャリア危機

キャリア概論の前半部分では、キャリアを歩んでいく中で起こりえるキャリア危機について説明します。
例えば、上の図にあるように、働いていると理想と現実のギャップにショックを受けるのは特別に珍しい現象ではないのがわかります。
大切なのは、ショックを感じる理由や意味を自分なりに見出し成長の糧にすることです。
キャリア・アンカー

そして、講義の後半部分では、「キャリア・アンカー」といって自分が働くうえで重要視している価値観を検討します。
質問紙に回答すると自分の価値観のタイプが見えてきます。
例えば専門職タイプ、マネージャータイプ、ライフスタイルを重視するタイプなど計8タイプがあり、どういった価値観が強いか把握できます。
それぞれの価値観のタイプの特徴を聞いたあと、利用者さん同士で「キャリア・アンカー」について話し合い、さらに理解を深めていきます。
講義の最後には、自分のキャリアにおいて達成したいことまで考えます。
休職はキャリアを考える分岐点
休職によってキャリアへの影響を考え、ショックを感じる人もいることでしょう。
勤めだしたときに自分が休職するなんて思っている人は少ないはずですから。
しかし、休職はこれまでの働き方を考え直すきっかけにもなります。
職場から離れている今の環境だからこそ、客観的に自分と仕事の関係を見られるのだと思います。
ベスリのリワークでは、1人1人のキャリアの悩みに対して、講義以外でも面談するなどして一緒に考えられるようスタッフ一同サポートしています。

執筆者 星野 文弥
臨床心理士、公認心理師、EMDR Weekend2修了
EAP、ひきこもり支援センター、精神科病院などで臨床経験を積んだのち、ベスリ・リワーク大阪に勤務。臨床経験や心理学の専門知識を最大限にどう還元するかをモットーに、休職者のメンタルヘルス向上に努めている。