ベスリのリワークではコミュニケーションスキル向上をはかって、アサーションの講義を公認心理師・臨床心理士が担当しています。
この記事ではアサーションの講義の概要を紹介しています。
アサーションとは
アサーション(assertion)は英和辞典では日本語で「主張」と訳されます。
ただし、カウンセリングやメンタルヘルスの分野では意味合いが異なり、アサーションは「自分も相手も大切にする自己表現」という意味で使われます。
リワークに参加している利用者の方々の中には、休職前、自分の意見や考えを抑え、相手や周りの都合を優先していたという方もいます。
我慢し続けた結果、ストレスを抱えたままになり体調不良にもつながっていたようです。
復職までに少しでも上手に自己表現できるようになってほしいという思いで、アサーションの講義を行っています。
講義「アサーション」の概要
自己表現のタイプを理解する


まず、自己表現のタイプを整理できるように説明しています。
アサーションができている表現タイプのことを「アサーティブ」と呼んでいます。
一方で、アサーティブではない表現タイプには「非主張的」「攻撃的」「間接的攻撃」の3種類があります。
講義ではアサーティブではない表現タイプを続けていると被るデメリットについても説明しています。
例えば「非主張的」な自己表現を続けていると、不満が解消されず相手を恨んだり、抑うつ的になってしまいます。
また「攻撃的」「間接的攻撃」を続けていると周囲から疎遠され孤立してしまいます。
これらのデメリットがなく、お互いが大切に思い合ったという感情が残りやすいのが「アサーティブ」です。
アサーションの型を練習する
自分も相手も尊重できるアサーティブな表現が理想的なことを理解したら、次にどうやったらアサーティブな表現ができるかを、ワークを通じて学びます。


アサーションの型として、状況と感情を整理しながら提案を伝えられる「DESC法」、私を主語にして伝える「Iメッセージ」などを紹介しています。
講義中にグループワークの時間をとって、利用者さん自身が過去に「非主張的」や「攻撃的」な表現をした事例を考えてもらっています。
そして、講義で学んだアサーションの型を応用し、アサーティブではない表現からアサーティブな表現に変えてグループでロールプレイをし、練習します!
アサーションをリワークで学ぶ意義
リワークでなぜアサーションを学ぶのかというと、再発予防のためにコミュニケーションの改善が重要なケースが多いからです。
職場でのコミュニケーションの問題が休職要因の1つになっている方も、リワークに通われている利用者さんの中に多くいらっしゃいます。
コミュニケーション問題の原因を自分が「引っ込み思案だから」「臆病だから」と性格のせいにしていては、なかなか前に進めません。
ベスリのリワークでは、アサーションは能力ではなくスキルであると強調して伝えています。
ですから得意不得意はあると思いますが、練習によって上達が可能です。
不得意だという方もリワークをきっかけにアサーションを心がけて、コミュニケーションの課題がみつかれば解決に役立ててほしいと思っています。

執筆者 星野 文弥
臨床心理士、公認心理師、EMDR Weekend2修了
EAP、ひきこもり支援センター、精神科病院などで臨床経験を積んだのち、ベスリ・リワーク大阪に勤務。臨床経験や心理学の専門知識を最大限にどう還元するかをモットーに、休職者のメンタルヘルス向上に努めている。