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プログラム紹介

ハラスメント~正しく理解して自分の身をまもる~

ベスリでは「ハラスメント」についての講義を2か月に一回、定期的にしています。

こちらの記事では、ベスリの「ハラスメント」の講義で、何のために何を学ぶのか概要を読んで頂き、具体的なプログラムのイメージを膨らましてほしいと思います。

なぜリワークでハラスメントの講義?

テレビのニュースでもセクハラ、パワハラ、などよく聞かれるようになり、ハラスメントという言葉が一般的に使われるようになってきていると感じています。
しかし、一般的になり広まった分、ハラスメントについて正しく理解されないままその言葉を使っている人も増えているのではないでしょうか。

誤って誰かのことをハラスメントだと決めつけて傷つけてしまったり、ハラスメントを受けているのに被害を軽んじてどこにも訴えず我慢してしまうようなことがないよう、ベスリのリワークではあらためてハラスメントについて学ぶ機会を作っています。

ハラスメントの講義の概要

セクシャルハラスメントとパワーハラスメント、代表的な2つのハラスメントをピックアップして、さまざまな事例を見ながら理解を深めていきます。

ハラスメントとは

ハラスメントはいやがらせやいじめを指す言葉です。
「意図して」身体的・精神的な攻撃を行い、相手に不利益、ダメージを与えることです。

「スメハラ」というスメルハラスメントという言葉も聞かれますが、最近は嫌なにおいを出しているものすべてにスメハラという言葉を当てはめている使われていることがあります。
「意図して」という部分が定義するには重要で、本来の意味ではわざと相手が嫌がるにおいを出すいやがらせを指して使われるべきです。

セクシャルハラスメント

セクシャルハラスメントは性的な言動によって相手を不快にさせることです。
身体的な性ではなく、文化的な性(ジェンダー)による差別的な行為もセクシャルハラスメントに触れる可能性があります。

では、どういった性的な言動があり、どのような不利益が生じたらセクシャルハラスメントに該当するのか事例を通じて学びます。
事例はあからさまなセクシャルハラスメントではなく、判別しにくい微妙なものもあるので、事例検討のときにはいつも様々な意見が出てきます。

セクシャルハラスメント
講義スライドの抜粋

パワーハラスメント

パワーハラスメントは権威的な関係を背景とした言動によって業務上必要かつ相当な範囲を超え、労働者の就業環境が害されるもののことを指します。
パワーハラスメントもセクシャルハラスメントと同様に事例を通じて、理解を深めていきます。
事例では部下への注意や業務指示のやり方が、パワーハラスメントに該当するか検討します。

上司の方はときには厳しく部下と接する必要があります。
パワーハラスメントについてよく理解していることは、度を超すことも変に甘やかすこともなく、適切な指導へつながると思います。
そして、部下の方も適切な指導の範囲を理解していることで、自分の身を守るだけではなく、上司に対して過剰に恐れたり、卑屈にならず接することにつながると思います。

ハラスメントから身を守り、ハラスメントを予防する

自分がハラスメントの被害者になることも、加害者になることもあり得ます。
ベスリでは復職後、ハラスメントから自分の身を守りながら、誰かにハラスメントをしないようにリワークでハラスメントについて講義しています。

最後に、ハラスメントまで行かないにしろ、人間だれしもふとした行き違いから、攻撃した、されたに発展する場合があります。
普段からコミュニケーションを行い小さなトラブルのうちに対処することが大切です。
ハラスメントはコミュニケーションエラーの結果とも言えます。
お互いの思いや考えを理解する姿勢が、おおごとにならず、ハラスメントの芽をつぶしているのではと思います。

執筆者 星野 文弥

臨床心理士、公認心理師、EMDR Weekend2修了
EAP、ひきこもり支援センター、精神科病院などで臨床経験を積んだのち、ベスリ・リワーク大阪に勤務。臨床経験や心理学の専門知識を最大限にどう還元するかをモットーに、休職者のメンタルヘルス向上に努めている。