3回目の休職後、ベスリのリワークに通い元の職場に復職されたNさんにお話をお伺いしました。

体調だけ整えて復職したが休職に
最初の休職は、部署異動後の人間関係や仕事内容とのミスマッチが原因でした。
うつ病と診断され、しばらく休養したのちに部署を変えて復職しましたが、周囲の気遣いに応えられない自分を責めてしまい、2回目の休職となりました。
「もう戻らなきゃ」という焦りから、体調だけを整えて2ヶ月で復職しましたが、根本的な変化がないままの復帰は難しく、3回目の休職となりました。
休職を繰り返さないためにリワーク参加を決意
リワークを知ったのは、主治医からの「体調も回復してきたし、リワークはどう?」という一言がきっかけでした。それまではリワークという言葉やそういった施設があることも知りませんでした。
主治医に紹介された施設のプログラムは6ヶ月と長期だったため、自分で探して見つけたのがベスリのリワークです。ホームページで2〜4ヶ月の利用者が多いことを知り、これならいけるかも、と思い選びました。
このまま復職しても、また同じことになるかもしれないという不安はあったので、働きながら心を整える手段を身につけることは、自分にとって必要な準備でした。
同じように頑張る仲間の存在が自分の支えに
最初は、リワークに毎日通うことや新しい環境に飛び込むことのしんどさがありました。
自分にとっては過去を振り返ることが昔から苦手で、過去を振り返る作業が結構大変でした。
リワークに通う中で、同じように頑張っている仲間の存在もあり、過去を思い出す作業も少しずつ負担が減り、俯瞰して見られるようになっていきました。
リワークに来ている人の話を聴く中で「これは自分にとって必要な過程だ」と思えるようになりました。
リワークで得た“なんとなく”への対処法
今復職して働いている中でも実感しているのが、なんとなく調子悪いとかそのなんとなくというモヤモヤ感がだいぶ減ったことです。
「この状態は、あの出来事が原因かもしれない」と振り返り、小さな対策を立てて行動に移す、そうした積み重ねが、自分を守る力になっています。
また、以前は「自分がこうしたら相手はどう思うか」を過剰に考えて疲れていましたが、相手の気持ちは分からないものと割り切れるようになり、見えない不安と戦わなくなりました。
「未来の自分はいない。だから“今”できることを考える」とベスリで学んだことが、今の働き方につながっています。
再発防止策作成の過程での気づきが今の仕事にもつながっています
再発防止策を作るのは、正直めちゃくちゃ大変でした。
他の人の発表と比べて、自分のはなんかパッとしないなと思って、全然進まなかったんです。
でも、自分ができていないと感じている状態でも発表して、皆さんと一緒に考えたいという気持ちを伝えたら、いろんな意見やアドバイスをもらえて、自分にしっくりくる対策が作れました。
作る過程で「いろんな人に頼ってもいいんだ」と思えるようになったことで、復職した今もなるべく一人で抱え込まないことを意識しています。上司や同僚にも、自分の考えをこまめに伝えるようにしています。
復職後に取り組んでいること
再発防止策は持ち歩いていないんですが、ストレスサインとコーピング1を小さく印刷して、デスクの見えるところに置いています。「なんかしんどいな」「イライラするな」と思ったときに、それをふと見返すだけでも落ち着きます。
あと、リワークの資料や定期券も残していて、たまに見返して「自分、頑張ってきたな」と自分の自信へつなげています。
リワークで毎朝行っていたマインドフルネス呼吸法2も、通勤電車の中で5分くらいやっています。目を閉じて呼吸に集中することで、そわそわした気持ちが落ち着くのを感じています。
リワークを検討している方へ
リワークを検討している時点で、もう大きな一歩を踏み出していると思います。その一歩を踏み出した自分を、まずは褒めてあげてほしいです。
実際に自分に合うかどうかは、見学や体験に参加してみて考えるといいのかなと思います。
私は、リワークでは経緯は違っても「休職」という共通点を持った人たちがいて、話すことで「自分は一人じゃない」と思えました。
休職中って、一人の時間が増えて、いろんなことを考えすぎてしまうことが多かったんですが、リワークに通って人と話すだけでも、全然違う時間の過ごし方になると思います。
私はリワークでいろんな人の意見をきいて、自分って、そんなにダメな人間じゃないと思えました。それだけでも、リワークに通った価値が十分にあったなと思っています。