コラム

復帰する職場の受け入れ側が考えていること

復帰する職場の受け入れ側も不安を抱えている

受け入れ職場では「また一緒に働けるようになって良かった!」という安堵感とともに、「戻ってきたけど元どおり働けるの? どこまで仕事を任せて良いの? 服薬しているけど大丈夫? 再発しない?」といった様々な不安感を持っています。
また、復職の歓迎会をしても良いのといった、仕事から離れた部分でも気になっているものです。

復職したあと、労働者が気をつけること

労働者が復職直後、復職2~3ヶ月後、復職6ヶ月後、の時期に職場で気をつけることを解説します!
それぞれの時期で職場側が心配していることや期待していることも変わり、知りたい情報も変わっていきます。
どのようなサポートをしたらよいか職場側も情報がないとわからなくなるからです。
それでは、復職後の経過に合わせて、労働者は職場にどういったことを伝えたらよいかも下に整理しているので、ご覧ください!

復職直後

復職したばかりのころは仕事に対する体力が十分に戻っていないため、出社するだけでも疲れてしまいます。また、体調の波による影響もあります。
目先の体調に一喜一憂することなく、上司、人事担当者、産業医と定期的に面談を行い体調と業務の調整をしていくことが大切です。

もし、社内に産業保健担当者がいる場合には、気軽に相談できる関係性を作っておくと良いでしょう。
面談の際に背伸びして「大丈夫です」「元気です」と言ってしまいがちですが、本音を伝えることが大事です。
復職プランに沿って一歩一歩前進していきましょう。

復職2〜3ヶ月後

2~3ヶ月が過ぎて体調が落ち着いてくると、上司もあなた自身も「もう大丈夫だろう」と油断が生じます。しかしながら、体力・気力・集中力は思ったほど回復していません

ここで焦って頑張りすぎてしまうと再発につながりかねません。
体調が悪化しないよう、徐々に業務負荷を上げていくことがその後のパフォーマンス発揮につながります。

復職6ヶ月後

6ヶ月を超えるころから通常の業務遂行ができるようになりますが、再発を防止するためには、産業医、人事担当者、上司と定期的に面談を行い、主治医の診断情報体調の回復状況業務配慮の範囲などについて情報共有を継続することが大切です。

元気に働けていても、主治医の指示に従って通院と服薬を継続しましょう。
自己判断で服薬を減らしたり中断したりすると危険です。
服薬等が気になるときには産業医に相談する、セカンドオピニオンを求めるなど医師の指導に基づいて対処してください。

職場で何気なく言われる「まだ通院しているの?」「まだ薬を飲んでいるの?」といった言葉を過剰に気にしてはいけません。
この頃から業務負荷が増加してくることになりますので、休職中にリワークで身に着けた知識やスキルを活かして「体調不良を招きやすい症状を自覚し」早期のうちに「ストレスに対処する」よう心がけて充実したビジネスライフを実現し、素晴らしい人生を送ってください。

執筆者 佐藤 恵一

メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種、衛生管理者、心理相談員、(株)ベスリ 産業保健ディレクター
大手IT企業にて産業保健に従事、メンタルヘルスからの職場復帰支援や健康経営に取り組んできた。現在は(株)ベスリにて新しい産業保健の普及支援に取り組んでいる。