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プログラム紹介

ストレス~あなたのストレスの正体を知る~

ベスリのリワークでは、ストレスについて理論的に学ぶ講義を実施しています。
講義は臨床心理士・公認心理師の資格を持つスタッフが担当しています。

「満員電車がストレス!」「ストレスでにきびが増えた」など日常的にも使われるストレスという言葉。
利用者さんに休職した理由を聞いてみると、「職場の人間関係がストレスで・・・」「仕事内容がストレスで・・・」など、なにかしらのストレスを理由に感じている人も多いようです。

ストレスという言葉は、日本中であふれかえるように聞こえますが、あなたは自分自身のストレスについてどれくらい理解できているでしょうか?
ちゃんと対策できているでしょうか?

自分自身のストレスと向き合ってみる。
そのような内容の講義となっています。
それではこの記事では、講義「ストレス」について概要を紹介します。

講義「ストレス」の概要

ストレス理論について学ぶ

ストレス、ベスリのリワーク
講義「ストレス」のスライド抜粋① 汎適応症候群(セリエ)

ストレスはこれまで学術的に研究されてきました。

まずはセリエのストレス理論について紹介しています。
セリエは、後々ストレスという言葉がよく使われる時代になる前から、ストレスの研究をしてきた生理学者です。
セリエは、ストレスに適応しようとして起きる生物の反応を汎適応症候群とよび、系統だてて説明しました。
ストレスがかかったときの自律神経系の活性レベルが高いままの状態が続くと、疲憊(ひはい)期とよばれる抵抗力をなくした状態におちいるというのがセリエが提唱したストレス理論です。

通常、私たちはストレスがかかると、それに抵抗しようと体温、血糖値が上昇し活性レベルが上がります。
一時的であれば問題はないのですが、活性レベルの高い状態は長く維持できないのです。
冷却しないままエンジンをつけっぱなしにすると、オーバーヒートするのと同じ原理です。

このセリエのストレス理論は私たちの感覚とマッチするのではないでしょうか?
私たちは、休養なくして働き続けることができないのは、自明の理です。
しかし、この理論では例えば、ストレスがかかっているはずの同じ職場で調子を崩す人とそうでない人の個人差を十分に説明できません。

そこで登場したのが、心理学者のラザルス提唱した心理学的ストレスモデルです。

ラザルスの心理学的ストレスモデル、ベスリのリワーク
講義「ストレス」のスライド抜粋② ラザルスの心理学的ストレスモデル

ラザルスの心理学的ストレスモデルでは、私たちがストレスを大きく感じるかどうかは、個人のストレスに対する評価ストレスにどれほど対処できるか、によると考えられています。

ハードそうな仕事内容でも、自身が解決できるものと評価すればストレスにならないし、困難だと思っていてもうまく対処ができれば、そうそう大きなストレスにはなりません。
反対に、自分自身には解決できないと評価したり、対処が失敗すれば、大きなストレスとしてふりかかるでしょう。

ワークで自分のストレスを分析してみる

ストレス、ベスリのリワーク
講義「ストレス」のスライド抜粋③ ワーク①ストレスの分析

ベスリのリワークではストレス理論について一通り学んだ後に、自分自身のストレスを分析するワークをしています。
どのような出来事が起きて、どのように受けとめて(認知)、どのような身体の反応があり行動したか(ストレス反応)を記述してみます。
一度、このように分類し書き出してみると、落ち着いて自分自身のストレスと向き合うことができます。
おのずと、対策も思い浮かぶ人もいるかもしれません。

ストレスサインを見つけて対処する

ストレスサイン、ベスリのリワーク
講義「ストレス」のスライド抜粋④ ストレスサイン

ストレスは蓄積する前に、小さいうちに対処するのが得策です。
私たちの身体は長い間ストレスにさらされると抵抗する力すらなくなってしまいますから。

ベスリのリワークでは個人のストレスサイン(=ストレスを感じているアラーム)を見つけることを推奨しています。
上の画像のように、体調面、行動面、気持ち、どのような変化があるとストレスを感じているかを考えます。
またストレスを感じて早い時期で出てくる変化、蓄積されたり大きなストレスを感じているときに出てくる変化といったように、時期についても出てくる変化の整理もすすめています。

ストレスサインを有効に活用して、早め早めに対処できるようになってほしいと考えています。

ストレスと向き合って再発予防

リワークで講義を受けると、利用者さん同士で意見交換ができ、ストレスの感じ方は1人1人違うことによく気づきます。
ストレス対処法の情報は、本でもインターネットでも探そうとすればいくつも見つかると思います。
しかし、それらが自分と合っているかは、自分自身で検証してみる必要があります。
ベスリのリワークでは、ストレスとやみくもではなく上手に対処できるようになってもらうため、ストレスの講義を行っています。

執筆者 星野 文弥

臨床心理士、公認心理師、EMDR Weekend2修了
EAP、ひきこもり支援センター、精神科病院などで臨床経験を積んだのち、ベスリ・リワーク大阪に勤務。臨床経験や心理学の専門知識を最大限にどう還元するかをモットーに、休職者のメンタルヘルス向上に努めている。