東京:03-5577-6452大阪:06-6732-8172お問い合わせ
プログラム紹介

身体とは/脳とは/心とは~メンタルヘルスを支える3部作講義~

「身体とは/脳とは/心とは」では約2か月の間に3回に分けて、メンタルヘルスの整え方を公認心理師の関本さんが講義しています。

なぜリワークで3回にも分けて「身体とは/脳とは/心とは」の講義をするのか?

リワークには心身の調子を崩され休職された方が通所されていますから、その心身の調子がどのようにして悪化するのか、そして、どのようにして回復し維持できるのかは、重要なトピックの一つなのです。

さて、心身一元論という考え方をこの記事を読んでいる読者の方は、ご存知でしょうか?
心身一元論は、哲学者のデカルトが提唱した心と身体が別々の実体とする心身二元論と違い、心と身体は同一の実体であり切り離せないものとする考え方です。

心の健康と身体の健康の密接な関わりは私たちの生活を通しても実感することが多いと思います。
例えば、ストレスを感じると胃が痛くなる。反対に、胃が痛くなるとストレスを感じているサインだ。
こんなふうに、私たちは否が応でも心と身体のつながりを切り離すことはできません。

「身体とは/脳とは/心とは」では、心身一元論の考え方を取り入れ、身体、脳、身体の相互の関係性をひもときながら、メンタルヘルスの整え方を考えていきます。

それぞれの主な内容としては、「身体とは」ではメンタルヘルスに関係する身体の整え方、「脳とは」では脳が正常に機能しなくなる仕組みと対策、「心とは」では感情との上手な付き合い方、について学びます。

今回は各講義の概要を見出しを分けて紹介しています!

今回は各講義の概要を見出しを分けて紹介しています!

講義「身体とは」の概要

メンタルと自律神経

最初に、メンタルと自律神経の関係について解説します。
自律神経は交感神経と副交感神経の2種類がよく知られています。
しかし、最新の研究のポリヴェーガル理論によれば自律神経は交感神経と腹側迷走神経、背側迷走神経の3種類に分かれており、それぞれ異なる役割をになっていることがわかっています。
それぞれの自律神経が身体の機能をどのように支えているか学びます。

たくさん難しそうな神経の名前も出てきますが、リワークではかみ砕いてわかりやすく解説しているので安心してください!

その中で、リラックスに重要なのは腹側迷走神経の働きです。
講義では、腹側迷走神経がちゃんと働くためにどのようなことをしたらよいか利用者さんと一緒に考えます。
例えば、腹側迷走神経は顔面ともつながっているので、口角を上げよく笑うとリラックスしていきます🙂。

メンタルと腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)

メンタルと腸内細菌叢
講義スライドの抜粋:腸内細菌叢

メンタルと腸の関係についても解説しています!
脳腸相関といわれており、腸は脳とつながりの強い臓器です。
腸の調子を整えることは、メンタルの安定に影響します。
例えば、食物繊維を意識して摂取するなど腸の状態を整えるのに役立つ生活習慣を紹介しています。
さらに利用者さん同士で、腸の調子の整え方を意見交換するグループワークの時間を設けています。

新しい医学の知見を取り入れ、身体からメンタルを整える方法を「身体とは」では考えてもらっています!

講義「脳とは」の概要

脳の3階層
講義スライドの抜粋:脳の3階層

「脳とは」では脳の構造とその働きについて学びながら、メンタル不調との関連を理解していきます。

脳はその部分によってつかさどっている機能が異なります。
本能や生命維持をつかさどる部分、衝動的な感情をつかさどる部分、論理的な思考をつかさどる部分と大きく3つにカテゴリーに分けて整理します。
そして、どのような症状が出ていたら、脳のどの部分の働きが悪くなっているか紹介しています。

それを踏まえ、適切な治療を受けたり、行動を取れるように対処法を考えていきます。

脳のことってなんだか難しそうですよね💦
調子がよくないとき、「自分の脳にこういうことが起こっているんだな」というのがわかるだけでも落ち着いて対処法を考えられます。
一見、難しそうですが講義が終わるときには納得感の大きい内容となっています。

講義「心とは」の概要

「心とは」は3部作のトリ的講義

「心とは」では人間が作り出す感情とどうやって付き合っていくかを学びます。
「身体とは」「脳とは」ですでに身体と脳と精神の関係を学んでいるので、捉えようのない心についての話もすんなり入りやすいようです。
身体と脳が神経を通じて互いに情報交換しあって、感情、知性など私たちが心と呼んでいるものができています。
では、私たちの心が作り出す様々な問題に対してどう具体的にアプローチしたらよいのでしょうか
そのことについて、講義では詳しく学んでいきます。

感情をうまく利用する

マインドフルに観察する
講義スライドの抜粋:事実を事実として観察する

悲しみや怒りなど感情はやっかいなものかもしれませんが、ストレスを感じているサインでもあります。
そのときのどのように対処するかによって、苦しみの度合いが変化します。

講義の中で、感情が人生に役に立った場面、役に立たなかった場面をグループで話し合って振り返る機会を作っています。
感情は1人1人異なるので、様々な人の意見を聞きながら自分なりの感情との付き合い方をさぐっていきます。

また講義の後半では、感情と客観的な事実を切り分ける心理的スキルについて教えています。
感情と事実を切り分けられるようになると、感情を落ち着かせたり、適切な行動を取れるなど効果的な対処ができるようになります。

身体、脳、心の関係性を理解する

メンタル不調について、心や性格の問題だと言われたことがある人は少なくないと思います。
身体、脳の異常な状態が背景にあると知っておくと、自分を責めることなく対処を考えられるようになります。

ベスリのリワークでは、講義以外でも個別面談や再発防止策作成を通して、1人1人のメンタル不調の要因を探りよい対処を見つけられるようにサポートしています。

執筆者 星野 文弥

臨床心理士、公認心理師、EMDR Weekend2修了
EAP、ひきこもり支援センター、精神科病院などで臨床経験を積んだのち、ベスリ・リワーク大阪に勤務。臨床経験や心理学の専門知識を最大限にどう還元するかをモットーに、休職者のメンタルヘルス向上に努めている。