体調が悪い時期に職場の上司や同僚、あるいは人事から産業医と面談をすることを勧められることがあります。
それでは産業医は面談をして、何をするのでしょうか。
産業医とは?
産業医の役割
体調を確認し、受診の必要があるのかないのか、カウンセリングを受けた方がいいのか、上司に話してある程度業務を減らしてもらった方がいいのか、などを判断して体調改善に向かっていくようにアドバイス、調整する役割です。
主治医と産業医の違い
もし皆さんが受診をした場合は主治医の診察を受けるわけですが、主治医は体調については相談できるものの、皆さんが仕事をするときにどのような環境で、どのような人間関係の中で、どのようなストレスを抱えて仕事をしているかなかなかイメージできません。
産業医は、職場での調整が必要な場合に特に、その立場や情報を活用して健康に働くためにどのようなことが必要かを考えることができます。
産業医面談を活用しよう!
産業医と話した内容は
皆さんの中には、産業医は会社と通じていて、情報が筒抜けになると心配している人もいるでしょう。
しかし、守秘義務があるため原則情報は会社には話しません。
ただし、会社に伝える必要がある場合があります。
それは、明らかに生命に関わっていて対応する必要があると判断される場合、このままの状態で就業するとあなたが安全、健康に働くことが難しく、会社が何らかの対策をしないといけない場合、などがあります。
難しい言葉を使うと、会社の安全配慮義務が優先される場合、ということになります。
「相談」できる頼れる存在
産業医との面談は、受診ではありません。
医療機関を受診することに抵抗感がある方は少なくないですが、産業医との面談は受診より「相談」という側面が強いと考えていただければと思います。
皆さんは面談で、体調に関する相談や人間関係の相談、健康に働くために職場に求めたいことなどを伝えてください。
もちろん出来ること、出来ないことがありますが、現実的な対策を一生懸命考えてくれるはずです。
執筆者 吉田 英司
医師・日本医師会認定産業医
東証一部上場企業の専属産業医、外資系IT企業の統括産業医などを歴任。
自身も一度医療を離れ企業に所属する会社員として過ごした経験を踏まえ、個人にも組織にも「健康に働く」ためのサポートを継続している。