コラム

明日からできる!休職中の昼夜逆転の治し方5選!

休職する前は、朝に起きて働いていたのに、休んでからは夜に眠らずに昼夜逆転の生活に😰。
いざ生活リズムを戻そうとして、夜に寝ようと思って今日はベッドに入ったけど全然寝つけない・・・
それはあなたのやり方が合っていないだけで、効果的な昼夜逆転の治し方を実践してみたら改善するかもしれません
この記事では、休職したら誰もが陥りやすい昼夜逆転の治し方を紹介します!

休職すると昼夜逆転になってしまう理由


決して昼夜逆転になってしまうのは珍しいことではないのです。
なぜなら、休職には昼夜逆転に落とし入れるさまざまな罠が潜んでいるからです。
まずは昼夜逆転になる理由を理解して、自分の性格のせいにするなど自分を責めず、行動を変えていくようにしましょう。
それでは、昼夜逆転になってしまう理由を3点にしぼって、お伝えします。

1.休職しはじめの休息中心の生活から移行ができていない

休職しはじめは、心身がとても疲弊している状態です。
その頃は、とにかく体をまず休めることが重要です。
ひどい風邪を引いたとき一日ベッドにいて休むのと同じように、適応障害やうつで休んだ場合も活動量を減らして回復に専念した方がよい時期があります。

ただし、適応障害やうつの場合、風邪が治ったときのようにすぐに元の生活に戻すのが困難です。
それは風邪よりも休息に必要な時間が長くかかった分、生活リズムを取り戻すのにも時間がかかるからです。

症状が落ち着いて回復してきたら、生活スタイルを切り替える必要があります。
いつまでも休職しはじめの生活を続けていたら、体は疲れていないのに休息を取ろうとしている、いわゆる「ただゴロゴロしている状態」になってしまいます。

2.外出が減り、活動量が低下している

夜眠るためには、日中に活動して体が疲れている状態が望ましいです。
しかし、休職している人は、普段は日中働いていたわけですから、なにか計画をたてたり、用事がないと活動量が減ってしまいます。
適度な疲れがないために、夜に休むといったことをしなくなるわけです。

3.朝に起きる必要性が生活の中からなくなる

ご承知の通りのことかもしれません。しかし、仕事を休むことで朝に起きる必要性がなくなることは、昼夜逆転になってしまう大きな理由の1つです。

「休職前は普段から寝だめするように休日は昼過ぎまで寝ていました」っていう人は、とくに要注意です。

用事がないと朝に起きないというのがそもそも当たり前だという人は、休職中は毎日その生活になるのが自然でしょう。
休職前は平日に仕事があって朝に起きるリズムを取り戻せたのが、その機会を失っているわけです。
朝に起きなければならない機会を自分で作り出す必要があります。

自分でできる昼夜逆転の治し方5選!

起床して日光を浴びる

夜に眠って、朝に起きる習慣に戻すにはどうすればよいのか?
やみくもにするのではなく戦略をもって挑みます。
次のようなことを試してみたことがない人は、試してみるとよいでしょう。

1.睡眠日誌をつける

まずは自分の睡眠習慣を客観的に把握するようにしましょう。
あなたが取っている平均の睡眠時間を知るのが第一の目的です
ノートや手帳でいいので1週間~2週間の記録を取ります。
次のような項目を記録します。

  • 昼寝をした時間
  • 寝床についた時間
  • 明かりを消してから眠りにかかった時間
  • 眠ってから目が覚めた回数(最後に目が覚めた回数は数えない)
  • 途中で目が覚めていた時間
  • 最後に目が覚めた時間
  • 起床した時間

記録をつけるのは第一段階です。
第二段階では、何時に床に入り、何時に床に出るか決定します。

2.眠れる時間に基づいて床入り・起床の時間を決める

睡眠日誌の記録から毎日の床入り時間と実際に寝ていた時間を計算します。
そして、それぞれの1週間の平均も計算します。

床入り時間=昼寝をのぞく寝床に滞在していた時間
睡眠時間=昼寝をのぞく実際に眠っていた時間

眠れず昼夜逆転している人は、床入り時間が、実際に眠っていた睡眠時間より大幅に長い場合が多いでしょう。
このことはあなたが本当に眠れる時間より長く寝床にいることをあらわしています。
眠れる時間に合わせて、寝床に入る時間と起床する時間を設定することが大切です!

戦略的に睡眠計画を立てよう!

目標となる寝床にいる時間の式はこちらです。
目標床上時間=平均睡眠時間+30分

例えば平均睡眠時間が4時間30分の人が、AM9時に起きる場合は、AM4時が床入り時間になります。
それを1週間続けてみて、いつも日中に眠気が残る、うとうとするなら、次の1週間15分~30分、床入り時間を早めます。
まだ眠気が残るなら、次の1週間も同じように15分~30分早める。これを繰り返すことによって無理なく適切な睡眠時間を獲得していきます。

3.決まった時刻に起きる

決まった時刻に起きることで、リズムが安定してきます。
たとえ夜に寝つきが悪かったとしても、同じ時刻に起きるようにしましょう。
そうすることで、その日の夜はもっと眠たくなって寝やすくなり、リズムが安定する好循環がスタートします。

4.眠りを妨げる習慣をやめる

睡眠にはよくない習慣をやめて、よい習慣を増やしましょう!

◎眠るときのみ寝床を使う

寝床で読書、テレビ、スマホ、勉強などしていませんか?また、心配事や考え事を寝床でしていませんか?
このようなことを続けていると、無意識に寝床で目が覚めたままでいることが身についてしまいます。
寝床では睡眠と性交渉のみして、それ以外のことは寝室以外の場所でしましょう!

◎寝られなければ寝床から出る

20分ほど、寝床についても眠れなかったら起き上がって寝室から出ましょう。
すぐ眠れるくらいに眠くなったら寝床に戻ります。

◎日中の昼寝はしない

昼寝はNGです!
日中に眠ってしまうと、夜に睡眠へ促す欲求が弱くなってしまいます。

◎カフェインを制限する

コーヒー、紅茶などに含まれるカフェインは眠りにくくなる刺激になります。
次の2点に注意し、カフェインは昼寝を予防するため日中に摂取するようにして上手に使いましょう!

  • 1日にコーヒー3杯分以上のカフェインを摂取しない。
  • 夕方以降はカフェインを摂取しない。

5.生体リズムに合わせて活動する

体内時計といって、人の体には時間を感知して一定のリズムで体の組織を調整しようとする仕組みが備わっています。
起きた時間や朝食を食べた時間を感知して体内時計はリズムを刻み始めます。
体内時計が安定して働くような生活スタイルを意識しましょう。
具体的には次のようなことを意識して行動することをおすすめします。

  • 起床4時間以内に窓から1m以内に近づき日光を浴びる(曇りでもOK)
  • 朝食を食べる
  • 眠る1~3時間前に入浴する
  • 就寝前に起床時間を3回唱える

病院に行き治療が必要なケースも

身体疾患、精神疾患が影響して睡眠障害になっているケースもあります。
例えば次のような症状がある方は医療機関で専門家に相談しながら睡眠の問題に取り組みましょう。

  • 睡眠中に繰り返し呼吸が止まる
  • 足がむずむずするなど衝動的に動かさずにいられない
  • 関節炎、線維筋痛症など痛みがともなう病気
  • うつ病、双極性障害、不安症などのこころの健康に関わる問題
  • 女性の閉経期の症状
  • 男性の前立腺の問題
  • 処方されている薬の副作用

これら以外にも専門的な治療が必要なケースがあるので、なにか気になる症状があったら専門家に相談することをおすすめします。

リワークも昼夜逆転に有効!

定期的な日中活動の場が昼夜逆転を治すには有効です。
リワークは医療機関や福祉施設が運営している、休職中に通所する施設です。
職場復帰に向けたリハビリテーションを受けられます。

最初は少しずつ通所日数を増やしながら、週5日通えるように生活リズムを整えていきます。
生活リズムを整えるほかに、メンタルヘルスの講義、通勤訓練などのプログラムも用意されています。

リワークには困ったことを相談できるスタッフがいるのも、心強いかと思います。
いつの間にか染みついた自分の生活習慣や行動を1人で変えるのは難しいこともあります。
支援者からの励ましが大きな支えになる人もいます。

リワークに関心のある方はこちらもご参考にしてください!
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参考文献

・不眠症の認知行動療法 日本評論社 ジャック・D・エディンガー コリーン・E・ガーニィ
 北村俊則[監訳] 坂田昌嗣[訳] 2008年 

執筆者 星野 文弥

臨床心理士、公認心理師、EMDR Weekend2修了
EAP、ひきこもり支援センター、精神科病院などで臨床経験を積んだのち、ベスリ・リワーク大阪に勤務。臨床経験や心理学の専門知識を最大限にどう還元するかをモットーに、休職者のメンタルヘルス向上に努めている。