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プログラム紹介

集団コミュニケーション~チームで働くための知恵~

この記事では、集団コミュニケーションの講義の概要をお伝えしています。
集団コミュニケーションでは、心理学の知見を多く盛り込み、職場でのコミュケーションに役立つ知識とスキルを紹介しています。
講義は、公認心理師・臨床心理士が担当しています。

講義「集団コミュニケーション」の概要

コミュニケーションには言葉のやり取りだけではなく、立ち振る舞い方も含まれます。
どのような行動によって、相手に良い印象もしくは悪い印象を与えるか知っておくことは、チームで働くうえで重要です。
過剰に周りを気にしすぎる必要はありませんが、状況に応じたふるまいはどこの会社でも求められます。
リワークで再学習して自信を持って復職してほしいと考えています。

黒い羊効果

講義「集団コミュニケーション」 スライド抜粋①黒い羊効果

個人のある行動が、1人でいる場合には問題にはならなくても、集団の中だと問題視されることがあります。
集団の中には様々なルールがあり、その中には空気のように目に見えない暗黙のルールも存在します。
それらから逸脱していると判断されると、個人の評価が下がってしまいます。

心理学の分野で、集団ならではの評価のゆがみを検証されたものの1つに、「黒い羊効果」というものがあります。
黒い羊効果とは、ある個人が集団にとって好ましくないと評価されるとき、別の集団に所属している同じくらい好ましくない人より、さらに低く評価されることを言います。
わかりやすくいうと、白い羊の群れの中にいる黒い羊のように集団になじめない人を排除しようとする働きをもじって、黒い羊効果と呼んでいます。
黒い羊効果によって、排除されそうな人をつくることで、そうではない人たちの間では一体感が高まります。

集団には一体感を高めようとする力が働く

集団には、ほかにもこのような一体感を高めようとする力学が発生するのは、念頭に置いているとよいでしょう。
制服は、一体感を高めるものとして、思いつきやすい例の1つではないでしょうか。
制服のある会社で、1人だけ私服を着て仕事をしている人を見つけたらあなたはどう感じるでしょうか。
たいていの人たちが、その人に対して集団のルールを守らない逸脱した人物だと考えるでしょう。

会社には一体感を高めるための様々な取り組みやルールがあります。
チームワークを発揮し、仲間たちと心地よく働くためには、それらをよく理解した上で、行動する必要があります。

セルフアウェアネス:個人の価値観に気づく

集団の中でうまくやっていくには、まずは自分自身についてよく知っていることが大切です。
自分の感情、長所、短所、欲求、衝動など深く理解することを、セルフアウェアネスといいます。
セルフアウェアネスを高めると、自分自身と集団が持つアイデンティティとの違いに、いち早く気づくことができるようになります。
自分自身をよく理解していることで、適切な自己表現へとつながり、コミュニケーションを通じて相手との様々な調整もしやすくなります。

講義では、個人の価値観に気づく具体的な方法もお伝えしています。

講義「集団コミュニケーション」 スライド抜粋②フィードバックを受ける

「集団コミュニケーション」での学びを復職後に活かす

会社ではチームで働くことが求められている限り、コミュニケーションは必須です。
集団コミュニケーションで学んだ内容は復職後も役立つものばかりです。
講義では、いきなり学んだことすべて実践するのは大変なので、取り組みやすいものや課題に感じたものから、リワーク中からチャレンジしてみるよう勧めています。


執筆者 星野 文弥

臨床心理士、公認心理師、EMDR Weekend2修了
EAP、ひきこもり支援センター、精神科病院などで臨床経験を積んだのち、ベスリ・リワーク大阪に勤務。臨床経験や心理学の専門知識を最大限にどう還元するかをモットーに、休職者のメンタルヘルス向上に努めている。